社員教育にも納期と品質管理が必要

社員教育にも納期と品質管理が必要

社会保険労務士として中小事業主と向き合っていると、「うちの従業員は、いつまで経っても思うように成長してくれない」「課長にした従業員が、課長としての役割を果たしていない」という経営者の嘆きを耳にすることが少なくありません。

しかし、このように嘆く経営者に、「誰を、いつまでに、どのレベルまで育てたいのですか?」「貴社における課長の役割とはどのようなものですか?」と尋ねると、はっきり回答できる方はほとんどいません。

当然、従業員本人にこうした目標設定や役割期待を示していないでしょうし、当該従業員のスキル・職務・抱えている課題によって、継続的かつ効率的に学びの機会を提供しているとは思えません。

また、経営者団体に参加すると、多くの経営者が「人材育成が自社の最大の経営課題」とおっしゃいますが、言葉とは裏腹に、日々の仕事に追われ、「人育て」を後回しにして、特段何の教育施策も講じていない実態が散見されます。

これでは従業員が、経営者の想いを汲んだ優秀な人材に成長し、労働生産性を向上させ、あるいは付加価値の高い業務を生み出し、当該会社に大きく貢献することはないでしょう。

「ヒトは最も重要な経営資源である」「企業は人なり」は、古くから言われていることですが、当事務所も全くそのとおりであると確信しています。

冒頭のような悩みを抱えている経営者様、特段何の教育施策も講じていない経営者様は、ぜひ、自社なりの系統だった社員教育や人材育成のシステムを備えてください。貴社が良い方向に進んでいくこと請け合いです。